(参考情報)

ポリ乳酸(Poly(lactic acid), PLA):循環型社会に適した環境に優しいエコ材料~3Dプリントの意義とその大きな可能性


弊社は、3Dプリンター用造形材料の一つとしてポリ乳酸(PLA)を主成分とするフィラメントを国内販売しています。

 

PLAは、従来の石油を原料とするプラスチック材料とは異なり、植物を由来とするプラスチック材料です。化学構造上、「ポリエステル」の一種です。ポリエステルとは言っても、PETボトルの「PET」(これもポリエステルの一種です)や衣服に使われる「ポリエステル繊維」(これも通常PETです)とは異なり、環境中で微生物の代謝により生分解され、最終的には水と二酸化炭素になります。また、その構成成分が「乳酸」という体内にも存在する成分であり、安心・安全な材料です。

Polymaker社の「PolyPlus PLA」は、着色料も含めて全ての成分が米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)に登録の化合物で、安心な材料です。

 

これまでに、PolyPlus PLAを使って、ケーキの型を作られているお客様や、クッキーの型を作られているお客様がいらっしゃいます。

 

FDM(熱溶解積層法)方式の3Dプリンターで造形中には、造形材料由来と思われるナノ微粒子が排出されることが知られているため、生体適合性を持ち、かつ人間の体内で加水分解されるPLAは、その点でも安心と言えます。

PLAは、植物から抽出されるデンプンを原料として生産されます。少し詳しく説明しますと、

①植物からデンプンを抽出

②デンプンを分解してブドウ糖を生産

乳酸発酵菌を用いて、ブドウ糖から乳酸を生産

④乳酸をラクチド(乳酸の環状二量体)に変換

⑤ラクチドを開環重合してポリ乳酸を合成

の手順で合成されます。

植物は光合成により、大気中の二酸化炭素(CO2)を取り込んで消費していますので、植物の体を構成する炭素含有成分の大部分は、もともと大気中にあるCO2を由来としています。このことから、PLAは究極的には大気中のCO2を由来としていると言えます。このようなプラスチックは総じて「バイオベース・プラスチック」(BP)と呼ばれています。

 

その理由から、BPは、廃棄後に焼却されても、もともと大気中にあったCO2に戻るだけで、それ自体は正味のCO2濃度の増加につながりません。また、埋め立て処分されても、環境中で生分解されると、やはり元のCO2に戻ります。

 

また、PLAなどBPについて、生産から廃棄までの製品としての「ライフサイクル」におけるCO2排出量を検討した「ライフサイクルアセスメント(LCA)」の調査がこれまで数多く行われており、石油由来の汎用プラスチックよりも、化石資源使用量やCO2排出量が実際に少ないことが報告されています。

現在、大気中のCO2濃度が年々上昇傾向にあることが報告されており、地球温暖化への影響などが議論されています。

 

その対策の一つとして、CO2回収・貯留の研究が行われています。

 

今後、3Dプリンターが益々普及し、世界中でPLAが造形物として社会にあふれてくれば、「社会におけるCO2の貯留・貯蔵」の意義が出てくると思いませんか。私は、これを大変素敵な事だと思っています。

 

(代表社員 石田)